西表島の横断トレッキングに行ってきた。
最初は、単独入山禁止ということなので、一緒に行く人を探していた。
しかし、島であった同じような旅人に何人かに声をかけても誰も行かない。
中には、そんなの行けるの?無謀だという反応をされたのも少なくなかった。
結局、仕方ないので入山届けを出さずに一人で忍び込もうと決断した。
しかし・・・。
某大学の探検部が、西表島の同じキャンプ場で、キャンプをしていたのだが、
彼ら曰く、単独で入山しようと思ってもスタート地点である軍艦岩までの船のチケットを
チケット売り場の人が、チェックをしていて売ってくれないという。
軍艦岩までは、道はまったくなく、川をボートでさかのぼらなければ行くことができない。
ちなみに、軍艦岩から30分ほど歩いた所に、日本100名曝の一つ、マリュドゥの滝や
カンピレーの滝という観光名所があるために、軍艦岩まではボートがあるのだ。
そして、横断コースは、軍艦岩からカンピレーの滝を経由してさらに奥に入り込み、
西表島の中心を横切って、反対側に海辺にでるのだ。
僕は、途方にくれたが、結局、某大学のとある団体の善意により、
ボート乗り場にあるチケット売り場で、 彼らの中に紛れ込み、
一緒にチケット買うことができた。
彼らとは、軍艦岩で御礼を言ってわかれた。
カンピレーの滝までは、よく整備された道がある。そこまでは、海パンにTシャツ、サンダルで行く。
そして、カンピレーの滝で、ひと泳ぎした後に、長袖、長ズボン、トレッキングシューズに着替えて、
横断コースへ突入。このコース。ほとんど人が通らないために、草木に覆われて
大変わかりづらいという話だった。亜熱帯の森の為に、植物が生育がすこぶる良さそうだ。
その為に、遭難者がよくでるらしい。
たしかに、わかりづらいと思った。きっと、登山経験がない人にとっては、横断コースの
90%はどれが道からわからずに、入山すれば、ほぼ 間違いなく道に迷うだろう。
登山経験豊富な人ならば、99%の道はわかるかもしれない。
しかし、その残りのわずか1%が曲者だと思った。道なんてものは100%わからなければ
意味がない。その1%のところで、判断ミスをおかして、道をはずれる可能性があるからだ。
西表島の横断トレッキングのポイントは、ルートファインディング能力に尽きると
言っていい。あと、くそ暑い中を長袖長ズボンで歩くために、恐ろしいほど、
汗をかき、体力が奪われる。 暑さとの戦いとルートファインディング能力。
これが必須の能力だと思った。
カンピレーの滝の後、マヤグスクの滝まで行く。この滝までは、人が少ないが
時おり、訪れる人もおり、問題なく行くことができた。
マヤグスクの滝を見て、昼食をとり、再度歩き始めたのだが、ここで道を見失ってしまった。
トカチキ川をわたり、僕は、川沿いに歩き始めたのだが、少し行くと道がまったくなくなった。
おかしいと思った。しかし、横断コースの道は、ほとんど人が通らないために、
あまり残っていないという情報があったので、こんなもんなんだろうと川をさかのぼっていく。
しかし、あからさまにおかしいと思った。しまいに簡単には歩けるよう道ではなくなり、崖からの
落石がいっぱいの道になっていた。流石にこれはありえないと思い、道を引き返す。
しかし、戻ってみても正しいルートが見つけることができなかった。
この時点で、大量の汗をかいていた。とにかくこのコースは今だかつてないほど、
蒸暑く、汗をかく。Tシャツのすそを軽く握ると、汗がぼたぼたと滴りおちる。
バケツの水をかぶったような状態だ。僕は、迷った末に、また川沿いに行くことにした。
いつかは、正しい登山道と合流するとおもったからだ。
しかし、この選択はやはり間違っていた。
しまいに道がなくなり、川だけになる。周りは崖で歩くことはできない。
しかたないので、崖にへばりつき、へつりながら川沿いを進む。
西表の川にある石はよくすべる。崖も同じで川の水がかかっている部分はよく
すべる。おまけに大きなザックも持っている。何度か滑って落ちるんじゃないかと思った。
たとえ落ちても下は水だから怪我はしないだろう。しかし、川の水深はどうみても、
僕の背丈以上あり、おまけに流れもある。おちたら、この荷物だし、終わりだろうと
正直思った。そして、思った。こうやって、道に迷い、それでも無茶して先に
進もうとして事故って、みんな遭難するんだろうと。
遭難って言葉が頭を掠めたのは、久しぶりだった。少なくともここ、1,2年はなかった。
久しぶりに、ひやりとする緊張感を味わった。
それでも、川沿いに進んでいたが、流石に、この道はやめた方がいいと思った。
川沿いに沿って平行に道があることは確かだった。つまり、この崖の上に道が
あるのだ。僕は、川岸の崖の傾斜が若干緩やかになった所から登ることにした。
傾斜はかなり急だったが、草木に覆われているために、登ることはできた。
しかし、ハブに襲われないだろうかとびくびくしながらだった。
少し登ると、わずかに残った、人の踏み後によりできたと思われる、犬一匹通った後のような幅の
道がでてきた。これが正しいルートだった。ほっとした。これで助かったと。
その後は、わかりづらい所もあったが、道に迷うことなく行くことができた。
予定ではこの日、第一山小屋跡というテント数張り、張ることができるポイントで、
キャンプをしようと思ったのだが、道に迷った為に、時間と体力を使い果たしてしまった。
横断コースでは、鬱蒼とした木々に覆われている為に、キャンプができるのは、この第一山小屋跡と
第二山小屋跡くらいなもんだ。
だから、何がなんでも、第一山小屋後を目指したのだが、日もだんだんくれてきた。
日が暮れてくるにつれて、ヒルの襲撃が始まった。
僕は、迷った末に、時間、体力、暗くなることにより道を見失い易くなることと
ハブの襲撃を考えて、第一山小屋跡手前の、登山道が少し広くなった所で
その日のキャンプをすることにした。
少し広くなっているといっても、テントを快適にはるスペースなどはなく、
やっと張った場所でも、木の根っこの上で、テントの下はぼこぼこだった。
テントを張って、近くの小川の水で体を拭く。ヒルの襲撃をまた受ける。ヒルは、360度どこからでも
襲ってくる。足元はもちろん、木の枝とかについていて、首や腕にもくる。
おまけに、人の気配を感じると、木の上から、ポタッと頭にも落ちてきて吸いつくのだ。
結局、この日は、テント中でもヒルに襲われて、6,7匹のヒルに血を吸われた。
夜、ジャングルの中での一人のキャンプは、妙な緊張感があり、よかった。
この日、状況からすると島横断コースに足を踏み入れたのは自分だけなのは確実だった。
ジャングルの中で、自分ひとりだけのキャンプ、それが妙な独占感覚と、程よい緊張感を
もたらしてくれた。
この日は、晩飯のレトルトご飯とカレーを温め食べた後、しばらくテントから外の暗闇の森を
見てから寝た。
翌朝、雨は降ったが日が昇って明るくなってきたころにはあがった。
翌日は、初日に比べると道に迷うこともなかった。特に、古見と大原に
別れる分岐点から先は道もかなりわかり易くなった。
体力的にも初日に比べると楽勝で、午前11時には、横断道を抜けて、
大富遊歩道の大富口にでることができた。
どうしても、海まで自分の足で歩きたかったので、大富口から、大原港まで
歩くことにした。そして、大原港に着き、西表島横断トレッキングは、
無事に終った。
着くと、無事に降りて来れてほっとしたのと同時に、達成感に包まれた。
そして僕は、ついてすかさず、コカコーラとアイスを食べたのだった。
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<マリュドゥの滝>
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<カンピレーの滝。ここまでは、道も整備されていて、
海パン、サンダルで来た。> |
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<カンピレーの滝。>
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<カンピレーの滝から先の横断コースへ突入。
このころはまだわかりやすい道だった。> |
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<マヤグスクの滝に行く途中>
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<マヤグスクの滝に行く途中>
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<マヤグスクの滝に行く途中>
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<マヤグスクの滝に行く途中> |
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<横断コースから分岐して、マヤグスクの滝ヘ。>
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<横断コースからマヤグスクの滝への分岐地点で
昼食をとる。> |
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<マヤグスクの滝に向かう途中。
この川をさかのぼっていく。> |
<マヤグスクの滝>
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<マヤグスクの滝>
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<マヤグスクの滝>
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<イタチキ川。この少し先で、本流と合流するのだが、
そこから先で迷ってしまった。> |
<セミが土から出てきている所>
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<ヒル>
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<ヒルにやられた足>
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<ここでキャンプ>
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<道が、一時的に開けたところでキャンプ。> |
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<森の中で、独りでキャンプ>
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<テントからの眺望>
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<テントからの眺望>
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<翌日、再び出発。>
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<西表島の中心あたりを流れる川>
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<西表島の中心あたりを流れる川>
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<西表島の中心あたりを流れる川>
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<着生植物>
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<2日目のコースの途中>
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<2日目のコースの途中>
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<大富遊歩道の横断コース入り口に到着。
ここから大原港まで歩いて行く。> |